筋力トレーニングを実施して筋肉をつけたい(筋肥大)、綺麗になりたい(ダイエット)という気持ちが強いあまり、筋力トレーニングをやりすぎる=オーバーワークになるのは避けたいところです。
オーバーワークは適正な範囲を超えて筋肉に負荷をかけるため、筋繊維の損傷が過剰になるだけでなく、関節や人体にも悪影響を及ぼします。 また、オーバーワークの状態が続くことで、オーバートレーニング症候群と呼ばれる慢性的な疲労状態に陥ってしまうケースもあります。
オーバーワークにならない目安
筋力トレーニングを実施すると、負荷をかけた筋肉に血液やリンパ液が集中し筋肉が張った状態、いわゆるパンプアップした状態になります。
さらに、同一箇所に負荷をかけ続けるとパンプアップを通り越し、軽い痛みを感じる状態になりますが、一般的に、この状態がオーバーワークの限界点と言えます。 適度なパンプアップを目安に(痛みが生じない程度に)、筋力トレーニングを実施してください。
オーバートレーニング症候群とは
オーバートレーニング症候群とは、オーバートレーニングを蓄積し、また、適切な超回復期間を置くことなく高頻度で筋力とレーニングを実施し続けることによって引き起こされる慢性疲労の状態です。
引き起こされる原因としては、競技者では「もっと強くなりたい」、一般トレーニーでは「もっと筋肉をつけたい」「もっと綺麗になりたい」といった心理的欲求に起因することが多いため、本症候群の早期発見には心理的プロフィールテスト(POMS)・心理的競技能力診断検査(DIPCA3)・体協競技意欲検査(TSMI)のような心理テストもチェック方法として有効と考えられています。
筋トレで負荷のかかった筋肉は、筋繊維に微細な裂傷が発生します。そして、ダメージを受けた筋繊維は、一定の回復期間をおいて、鍛える前よりも強く太くなって回復します。
この一連の生体反応を超回復と呼び、筋トレ(筋力トレーニング・筋肉トレーニング)とは、適切で意図的な超回復を繰り返すことによって、筋力向上や筋肥大を達成する行為なのです。
各筋肉部位ごとのおおよその超回復期間は以下の通りです。
筋肉部位ごとの超回復期間
・大胸筋:48時間・三角筋:48時間・上腕三頭筋:48時間・僧帽筋:48時間・広背筋:72時間・上腕二頭筋:48時間・腹筋群:24時間・脊柱起立筋:72時間・大臀筋:48時間・大腿四頭筋:72時間・ハムストリングス:72時間・前腕筋群:24時間・下腿三頭筋:24時間
なお、加齢とともに超回復期間は最大2倍程度まで長くなります。また、女性は男性に比べると筋肉合成に関わるホルモン分泌量が少ないため、男性よりも超回復期間が長くなる傾向にあります。
このような、超回復理論にのっとり効率的に全身をトレーニングしていくためには、全身の筋肉を連動性によっていくつかのグループに分け、ローテーションで鍛えていく「部位分割法|スプリットトレーニング」が最適です。その具体的なローテーションの組み方は以下の通りです。
部位分割トレーニング
筋力トレーニングの効率を上げるためには、一度に全身の筋肉全てを鍛えるのではなく、筋肉部位を2~4グループに分け、1日に1グループずつ一週間で2~4回の分割トレーニングを行うことが有効です。
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