ボディビルダーが頻繁に取り入れる科学的裏付け[1~5]の取れた 筋肥大テクニック を4種類

こんにちは!エースワンフィットネスのユウタです!

今回はボディビルダーが頻繁に取り入れる科学的裏付け[1~5]の取れた 筋肥大テクニック を4種類厳選して紹介します。
単なるテクニックの具体的手順の羅列でなく、各テクニック(ドロップセット、バックオフセット、フォーストレップ、レストポーズ)の筋肥大効果を最大限に発揮するための重要ポイント、および具体的手順などについても詳しく解説を行います。

ボディビルダーは通常、筋肥大のポテンシャルを最大限に引き出すため、複数の筋肥大テクニックを組み合わせてトレーニングを行うことが多い。
特に、今回の紹介する4種の筋肥大テクニック(ドロップセット、バックオフセット、フォーストレップ、レストポーズ)はボディビルダーにとりわけ頻繁に取り入れられる“王道 筋肥大テクニック “であり、これら各テクニックの筋肥大効果はこれまでに発表された数多くの文献データ[1~5]によってもサポートされている。

つまり、これらのテクニックを正しく習得し、そしてそれらを普段のトレーニングに(適切な方法で)取り入れることにより、筋肥大のポテンシャルをさらに高めることができるのである。
したがって今回は、筋肥大効果が特に高い4種の 筋肥大テクニック についての専門的な理解を深め、明日からのトレーニングメニューに取り入れてみよう。
ドロップセットとは、ウエイトの反復挙上が限界回数(オールアウト)に達したところで、ウエイト重量を30~40%程度落としてすぐさま(インターバルなしで)限界まで再度ウエイトを挙上させるサイクルを3~4回繰り返すトレーニングテクニックである(全セットでオールアウトが一般的)。

ターゲットとなる筋肉を短時間でかつ高強度に追い込めることから、多くのボディビルダーがこのドロップセットを積極的に取り入れている。

ドロップセットの具体的方法

ドロップセットの具体的方法は以下の通りとなる。
1. 8 RM(8回で反復限界を迎える重量)のウエイトを選ぶ
2. ウエイト挙上が限界回数に達したらすぐさま、はじめのウエイト重量の60~70%のウエイトに持ち替え、再び限界がくるまで挙上を繰り返す
3. 2が終わったらすぐさま、2で扱ったウエイト重量の60~70%のウエイトに持ち替え、再び限界回数まで挙上を繰り返す
4. このサイクルを3~4回繰り返す
5. セット終了

このように、ウエイト重量を落としながら間髪を入れずにセット数を重ねるのがドロップセットの大きな特徴である。

ドロップセットのメリット

ドロップセットのメリットとしては、
1. 筋肉を限界まで追い込むことによりメタボリックストレスを引き起こし、筋肥大を誘発する
2. 短時間でトレーニングを終えることができる

という2つの点が挙げられるが、ドロップセットに関する記事(特に記事後半の追記部分)でも紹介した通り、ドロップセットを取り入れる最大のメリットは、何といっても短時間で通常のトレーニングと同等の筋肥大効果を得られるという点にある。

しかしながら、ドロップセットの長期的な筋肥大効果について調査した複数の研究報告[1,2,3]によれば、その筋肥大効果については賛否両論の結果となっている。
たとえドロップセットを取り入れても+アルファの筋肥大効果は認められなかったと結論付ける報告もあれば、ウエイト重量を3段階落とすドロップセットは、インターバルを設ける通常のトレーニングと同等の筋肥大効果があると結論付ける報告もあるのである。
しかしながら、私のこれまでの知識と経験を総動員してドロップセットの筋肥大効果を一言で端的に表すと、次のようにまとめることができる。

ドロップセットの筋肥大効果

ドロップセットは適切に行うことで通常のトレーニングと同等の筋肥大効果を得ることができる(が、それ以上それ以下でもない)

つまり、ウエイトの重量を3段階連続的に下げるドロップセットを行った場合と、通常のトレーニング(3セット全て同じ重量のウエイトを使用し、全セットオールアウトさせる)を行った場合とでは、正味の筋肥大効果は同等であるという解釈である。
なぜなら、ウエイトの重量を段階的に下げながらオールアウトする作業を繰り返すというドロップセットは、インターバルをとる通常のトレーニング(全セットでオールアウトした場合)と本質的には同等であり、双方で筋肥大誘発レップ数は同程度になると考えられるからである(理由は後述)。

ドロップセットを正しく行うポイント

今述べたように、ドロップセットは適切に行うという条件の下で通常のトレーニングと同程度の筋肥大効果が期待できる。
では、ドロップセットを適切に行うとはどういうことなのか?

例えば、ドロップセットではセット間にインターバルを設けないため、(特に神経系の一時的)疲労の蓄積により2セット目、3セット目でこなせるレップ数が極端に減ってしまう場合がある(例えば1セット目は8レップこなせたのに、2セット目、3セット目は3レップしかこなせなかった場合など)。
このような場合、2セット目、3セット目における筋肥大誘発レップ数が減少してしまうため、通常のトレーニングと同等の筋肥大効果は得られなくなる可能性が高くなるのだ(このような場合は、インターバルを適切に設ける通常のトレーニングの方が筋肥大効果は高いと考えられる)。

このような事態を回避するには、2セット目、3セット目でこなせるレップ数を最低でも5レップ程度は確保できるようにウエイト重量を適宜調整すれば良い(少ないレップ数しかできなければ重量を下げる、レップ数を多くこなせ過ぎるようなら重量を上げるetc…)。
また、今説明したようにドロップセットは正しく実施することにより、短時間で通常のトレーニングと同等の筋肥大効果を得らえるため、余った時間で他の種目を行えるというメリットもある(=効率的にトレーニングボリュームを増大させられる)。

ドロップセットに最適な種目

ドロップセットは、インターバルを設けずセットを完結させるという特性上、疲労度の高い 筋肥大テクニック でもある(多用し過ぎないこと)。
事実、ドロップセットの疲労度(相対値:7.7)は、インターバルを設ける通常のトレーニングの疲労度(疲労相対値:5.3)よりも高いことが研究報告[3]により示されている。
つまり、ドロップセットはトレーニングの前半よりも後半の仕上げに取り入れるべきなのである(筋肥大トレーニングの適切な順番より)。
したがってドロップセットは、トレーニングの後半において、(ヘビー)コンパウンド種目よりもダンベル、ケーブル、あるいはマシン等を使用して行うアイソレーション種目に取り入れると良い

例:上腕三頭筋の場合
オーバヘッドトライセプスエクステンション、ケーブルプッシュダウン等

ドロップセットの特徴
時間が限られている場合でも、通常のトレーニングと同等の筋肥大効果を期待することができる
バックオフセット

バックオフセット(Back off set)とは、高重量(1RMの85~90%)のメインセット(=トップセット)を終えたところで、メインセットで使用したウエイト重量の80~90%のウエイトを使用してすぐさま(あるいは30秒~1分程度の短めのインターバルを挟んだ後)、限界回数(またはオールアウトの直前)まで再度ウエイトを挙上させるサイクルを1~2セット繰り返すトレーニングテクニックである。

ちなみにバックオフ(Back off)とは、少しだけ(ウエイトを)下げるという意味である。

バックオフセットの具体的方法

バックオフセットの具体的方法は以下の通りとなる。
1. 1RMの80~90%のウエイトを用意する(理論的には4~8レップこなせるはず)
2. オールアウト(またはオールアウトの1セット手前)まで挙上反復する
3. はじめのウエイト重量の80~90%のウエイトを準備する
4. 必要に応じて短いインターバルをとる(0~1分程度)
5. オールアウト(またはオールアウトの1セット手前)まで挙上反復する
6. 必要であれば、もう1サイクル繰り返す(ウエイト重量は維持する)
7. セット終了。

このようにバックオフセットは、メインセットで使用したウエイト重量にできるだけ近い重量のウエイトを使用してセット数を重ねていくのが特徴である。

バックオフセットの筋肥大効果

このバックオフセットは、高重量(1 RMの80~90%)トレーニングに適したテクニックであるため、一般にボディビルダーよりも主にウエイトリフター(パワーリフター)に取り入れられることが多いが、最近の研究報告によりバックオフセットは筋肥大にも効果的なテクニックであることが示されている[4]。

例えば、BIG3(ベンチプレス、スクワット、デッドリフト)をはじめとするコンパウンド種目を高重量で行う場合、筋力向上には効果的であっても、中重量トレーニングに比べて、筋肥大誘発レップ数が減少するため必ずしも筋肥大にも有効なトレーニングであるとは言えない。
このような場合にバックオフセットを取り入れることで、高重量トレーニングだけでは不足しがちな筋肥大誘発レップ数(=あるいはトレーニングボリューム)を効率的に増大させることができるようになるため、高重量を扱いながらも筋肥大にも効果的なトレーニングプログラムの構築が可能となるのである。

ドロップセットとバックオフセットの違い

一見すると、ウエイト重量を段階的に落とすサイクルを繰り返すドロップセットとバックオフセットは互いによく似たテクニックのように感じられるかもしれない。
しかし、これら2つのテクニックは以下の点で大きく異なっている。
ウエイト重量を大きく下げる(30~40%減)ドロップセットに比べて、バックオフセットではウエイト重量を大きく落とさず(10~20%減)トレーニング強度を高く維持するに重点が置かれている。
結論から述べると、バックオフセットは高重量トレーニングで、ドロップセットは中重量トレーニングで取り入れることが強く勧められる

冒頭でも紹介した通り、一般にバックオフセットはBIG3をはじめとするヘビーコンパウンド種目で取り入れられることが多い。
というのも、バックオフセットには、
1. 高重量のウエイトに対する心理的負担の軽減
2. 正しいフォームの維持
3. オーバートレーニングの防止

といった3つの利点があるからである(詳しい理由は今回は割愛)。
そして、これらの利点は特に高重量トレーニングを行う際に最大限に発揮されるため、バックオフセットは高重量で行うメイン種目で行い、そしてドロップセットは、メイン種目後のアクセサリー種目(=メイン種目の後に行う補助的種目)に取り入れると良いという訳である。

バックオフセットの特徴
バックオフセットは、筋力向上および筋肥大の両方に効果がある

フォーストレップ

フォーストレップとは、ウエイトの挙上が限界に達した時点で、補助者(スポッタ)の力を借りてウエイトの挙上を手伝ってもらうことで、限界回数からさらに数レップを追加して筋肉を強く追い込むトレーニングテクニックである。

ちなみにフォーストレップとは、フォースト(=forced:強制的に)、つまり補助者の力を借りて強制的にレップを重ねることを意味している。

フォーストレップの具体的方法

フォーストレップの具体的方法は以下の通りとなる。
1. 通常のトレーニングを行う(例えばベンチプレス)
2. ウエイトを上げられなくなる直前(ステッキングポイントを超えられない直前)で補助者の力を借り、追加で1~3レップさらに挙上反復を繰り返す
3. セット終了

※補助者は、バーがスティッキングポイント(バーの挙上が一番ハードなポイント)を乗り越えるのに必要となる最小限の力で補助するようにする。

フォーストレップの筋肥大効果

フォーストレップは、一見したところドロップセットと全く異なるテクニックように思われるかもしれないが、実際のところ、これら2つのテクニックは実質的には同等なテクニックであるみなすことができる。

例えば、ベンチプレスをフォーストレップで行う場合を考えてみよう。
フォーストレップを取り入れる場合、メインセット(1セット目)でウエイトの挙上反復が限界に達したところで、補助者のからスティッキングポイントを乗り越えるのに必要な最小限の力(例えば、ウエイト重量の20%としよう)借り、ウエイトの挙上をさらに数レップ追加して行うことになる。
これは実質的に、1セット目でウエイト挙上反復が限界に達したところで、すぐさま、はじめのウエイト重量の80%のウエイトに持ち替えて再度挙上限界まで反復を繰り返すのと同等であるとみなすことができる。
このような理由により、ドロップセットとフォーストレップは実質的に(ほぼ)同等のテクニックであると考えることができるのである。

また、2019年現在、フォーストレップの筋肥大効果についての研究はあまり積極的になされてはいないようで、有効な文献を見つけることはできなかったが、上記のとおり、ドロップセットとフォーストレップが実質的に同等のテクニックであることを考慮すると、フォーストレップにはドロップセット同様に、筋肥大の効果があると考えることができる。

フォーストレップは、ベンチプレスなどの種目において使用重量がなかなか伸びず、自分の限界を強制的に打破する際のテクニックとして取り入れられることが多い。
補助者の力を借りてウエイトの挙上を手助けしてもらうため、ネガティブ動作においてターゲット部位に強烈なテンションがかかるため、筋肥大の誘発に必要となるメカニカルテンションを飛躍的に高められる一方で、負荷が非常に高くなるため筋肉の回復に通常より長い時間必要になる場合が多い。
筋肉の回復に通常よりも多くの時間を要するということは、一般に筋肥大の最適化で推奨されているトレーニング頻度(各部位につき週に2~3回)でトレーニングを行うと、オーバートレーニングの状態に陥る可能性が極めて高くなる(怪我等のリスクが高くなる)。

したがって、フォーストレップは使用重量がしばらく伸び悩んでいる場合等の起爆剤として取り入れるべきであり(3~4週間に1度の頻度を目安にすると良い)、毎回のトレーニングで取り入れるべきテクニックではない。

フォーストレップの特徴
使用重量が伸び悩んでいる場合に、限界を突破する起爆剤的テクニックとして取り入れると良い。

レストポーズ

レストポーズとは、メインセット(1セット目)を終えた後、20秒(最大で30秒)程度の短めのインターバルを挟んだ後、同じ重量のウエイトを反復挙上の限界(または限界直前)まで繰り返すサイクルを2~3セット繰り返すトレーニングテクニックである。

ウエイト重量を下げるドロップセットやバックオフセットとは異なり、レストポーズではウエイト重量を下げずにセットを重ねるため、ダンベルを持ち替えたり、プレートを外したりする(特にベンチプレスのプレートなど)を煩わしさがないのもレストポーズの特徴である。

レストポーズの具体的方法

レストポーズの具体的な方法は以下の通りとなる。
1. 1RMの80~90%のウエイトを用意する(理論的には7~8レップこなせるはず)
2. オールアウトする1セット手前まで挙上反復する(7±1レップ)
3. 20~30秒のインターバルをとる。
4. 同じ重量のウエイトで挙上反復する(3レップ程度はこなせるはず)
5. 20~30秒程度のインターバルをとる。
6. 同じ重量のウエイトで再び挙上反復する(1~2レップはこなせるはず)
7. セット終了。

このように、ウエイトの重量は変えずに、短いインターバルを取りつつ、3セット目で反復回数が1~2回程度になるまでオールアウト(あるいはオールアウト直前)を繰り返すのがレストポーズの特徴である。

レストポーズの筋肥大効果

レストポーズは、これまでに発表された研究報告[5]により、その筋肥大効果が強くサポートされているだけでなく、ドロップセットと並んでボディビルダーに最もよく取り入れられているテクニックのひとつである。
しかしながら、
1. メインセットと同じ重量のウエイトを続けて使用する
2. インターバルが短い

という上記2つの理由により、2セット目(3セット目)にこなせるレップ数は1セット目に比べて必然的に減少するという欠点がある。
つまり、レストポーズ単体では、十分量の筋肥大誘発レップ数を得られない可能性があるのである。

したがって、筋肥大の最適化に必要となる筋肥大誘発レップ数(=あるいは単純にトレーニングボリューム)を十分確保したい場合は、レストポーズで行うセット数を増やすか、あるいはメインセット数を増やして最終セットにレストポーズを取り入れるなどの方法をとり、十分なトレーニングボリュームを確保するように努めると良い。
例:筋肥大誘発レップ数を十分に確保したい場合
1. メイン1セット目
2. メイン2セット目
3. メイン3セット目+レストポーズ

このように、メインセットの2セット目に追加する形でレストポーズを取り入れれば、飛躍的に筋肥大誘発レップ数を増大させることができる。

また、レストポーズは、ドロップセットと同様に、限られた時間で効果的に筋肥大誘発レップ数増大させることができるため、短時間で通常のトレーニングと同等の刺激を得たい場合は積極的に導入すると良い。

特徴
ドロップセットと同様、限られた時間で通常のトレーニングと同等の筋肥大効果が得られる

ボディビルダーが愛用する 筋肥大テクニック 4種のまとめ

いかがでしたでしょうか。
今回紹介した4種の 筋肥大テクニック (ドロップセット、バックオフセット、フォーストレップ、レストポーズ)は、筋肥大のポテンシャルを最大限に発揮するためにボディビルダーが実際に取り入れているテクニックであり、なおかつ文献データによってもその筋肥大効果がサポートされているため、これらのテクニックを使わない手は無いのである。
これら各テクニックには、それぞれ利点や欠点が存在するが、これら全てのテクニックに共通しているのは、筋肥大誘発レップ数を効率的に増大させることができるテクニックであるという点である。
したがって、今回紹介した各テクニックの利点(および欠点)を踏まえた上で、明日からのトレーニングプログラムにいくらかの変更を加えればいつもと違った刺激を得ることができ、筋肥大効率は確実に高まるはずである。

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